冬の訪れとともに待ち遠しいのが、スキー・スノーボードシーズン。真っ白なゲレンデに向かう車内は、仲間との会話や音楽で気分も高まります。しかし、そんな楽しいドライブで悩みのタネとなるのが「スキー板やスノーボードの運搬」ではないでしょうか。
「車内に積むとスペースが狭くなる」「濡れた板でシートが汚れる」「エッジで内装が傷つきそう」…。そんな悩みを一気に解決してくれるのが「ルーフキャリア」です。
この記事では、スキー・スノボ用のルーフキャリアの選び方から、正しい積載方法、そしておすすめの定番メーカーまで、詳しく解説します。あなたのカーライフとスノーライフを、もっと快適にするためのヒントが満載です。
なぜルーフキャリアが必要?車内積載との比較メリット・デメリット
まずは、ルーフキャリアを導入するメリットと、知っておきたいデメリットを整理しましょう。
ルーフキャリアのメリット
- 車内空間を広々と確保できる
最大のメリットはこれです。長くて場所を取る板をルーフ上に積載することで、車内は乗車人数分のスペースをしっかり確保できます。着替えやブーツ、その他の荷物も余裕を持って積むことができ、快適なドライブにつながります。 - 濡れや汚れを車内に持ち込まない
滑り終わった後の板は、雪や氷が付着して濡れています。ルーフキャリアなら、車内を濡らしたり汚したりする心配がありません。 - 板や車内へのダメージを防げる
無理に車内に詰め込むと、板のエッジで内装を傷つけたり、板自体が破損したりするリスクがあります。専用キャリアでしっかり固定すれば、安全に運搬できます。
ルーフキャリアのデメリット
- 初期費用がかかる
キャリア本体(アタッチメントやボックス)の他に、土台となる「ベースキャリア」が必要です。 - 車高が高くなる
板やボックスを積載すると、当然ながら全高が上がります。立体駐車場や高さ制限のある高架下など、走行・駐車時には細心の注意が必要です。 - 風切り音や燃費への影響
空気抵抗が増えるため、走行中の風切り音が発生したり、燃費がわずかに悪化したりする可能性があります。
ルーフキャリアの種類を知ろう!主な2タイプ
スキー・スノボを積載するルーフキャリアは、大きく分けて2つのタイプがあります。どちらも、まずは車体に装着する土台「ベースキャリア(フット・バー・車種別フックのセット)」が必須です。
1. ルーフボックスタイプ
箱型(ボックス型)のキャリアで、スキー・スノボをすっぽりと収納します。
- 特徴:
- 板だけでなく、ブーツやウェア、ポールなどの関連ギアも一緒に収納できる大容量。
- 雨や雪、高速走行中の汚れからギアを完全に保護できる。
- 鍵(ロック)付きで、盗難防止効果が非常に高い。
- 夏場はキャンプ用品を入れるなど、オールシーズン活躍する。
- こんな人におすすめ:
- 荷物が多くなりがちなファミリーキャンパーならぬファミリーボーダー/スキーヤー。
- ギアを汚したくない、しっかり保護したい人。
- スキー・スノボ以外の趣味(キャンプ、釣りなど)でも車を使いたい人。

2. アタッチメント(専用キャリア)タイプ
ベースキャリアの上に直接取り付け、スキー板やスノーボードをむき出しのまま固定するタイプです。
- 特徴:
- ルーフボックスに比べて価格がリーズナブル。
- 板の積み下ろしが比較的簡単。
- 使わない時は取り外しておくのも容易(モデルによる)。
- 見た目がスタイリッシュ。
- こんな人におすすめ:
- 初期費用を抑えたい人。
- 積載するのは基本的に板だけで、ブーツなどは車内に積む人。
- 手軽に導入したい人。

後悔しない!ルーフキャリア選びの5つのポイント
自分に最適なルーフキャリアを選ぶために、以下の5つのポイントをチェックしましょう。
1. まずは「車種適合」を必ずチェック!
最も重要なポイントです。 ルーフキャリアは、どのタイプを選ぶにしても、土台となる「ベースキャリア」が必要です。このベースキャリアは、車種や年式、ルーフレールの有無などによって適合する製品が細かく決まっています。
まずは「INNO(イノー)」「THULE(スーリー)」「TERZO(テルッツォ)」といった主要メーカーのWebサイトで、ご自身の車の「車種別適合表」を必ず確認し、適合するベースキャリア(フット・バー・フック)を揃えることから始めましょう。
2. 「積載台数」は最大何台必要?
- スキー板: 幅が狭いため、比較的多く積めます。
- スノーボード: バインディング(ビンディング)の厚みがあるため、積載台数が限られます。
「いつも何人で滑りに行くか」「最大で何枚の板を積む可能性があるか」を明確にしましょう。スノーボードは、バインディング同士が干渉しないように互い違いに積むなどの工夫が必要な場合もあります。製品ごとに「スキー〇台、スノボ〇台」といった目安が記載されているので、確認しましょう。
3. 「ルーフボックス」か「アタッチメント」か
前の項目で解説した2タイプの特徴を踏まえ、自分のスタイルに合わせます。
- ルーフボックスを選ぶ場合:
- 長さ: 積みたいスキー板の最長の長さが入るか。
- 容量(リットル): 板以外に何を積みたいか(ブーツ、ヘルメットなど)。
- 開き方: 「両開き(デュアルオープン)」は、車の左右どちらからでも荷物の出し入れができて非常に便利です。
- アタッチメントを選ぶ場合:
- 固定方法: 板を挟む部分の素材(ゴム製が一般的)や、ロックのしやすさ。
- 厚み対応: 近年のスノーボードは厚みのあるモデルもあるため、対応可能か。
1. 「取り付け・積載」のしやすさ
シーズン中、頻繁に使うものですから、使い勝手は重要です。
- ベースキャリアへの取り付けは工具不要で簡単か。
- (アタッチメントの場合)グローブをしたままでも板の固定・解除がしやすいか。
- (ボックスの場合)ダンパー(開閉補助)はしっかりしているか。
2. 予算とデザイン
価格帯はメーカーやモデルによって幅広いです。必要な機能と予算のバランスを考えましょう。また、ルーフキャリアは車の外観に大きく影響します。車の色や形状に合わせたデザイン・カラーを選ぶのも楽しみの一つです。
安全第一!スキー・スノボの正しい積載方法と注意点
ルーフキャリアは非常に便利ですが、一歩間違えれば大きな事故につながる可能性もあります。安全に使うためのルールと注意点を必ず守りましょう。
積載時の基本ルール
- ベースキャリアの確実な固定
土台が緩んでいては話になりません。メーカーの取扱説明書に従い、規定トルクでしっかりと固定されているか、走行前に必ず確認しましょう。 - アタッチメント・ボックスの固定確認:
ベースキャリアにアタッチメントやボックスがしっかり固定されているか確認します。 - 板の向きと確実なロック:
- (アタッチメントの場合)スキーは流れ止め(ブレーキ)を上げた状態で、スノーボードはバインディングが干渉しないように(可能であれば内側に向けるなど)積載します。
- 積載したら、アタッチメントやボックスのロック(鍵)を確実にかけます。これが甘いと、走行中に板が飛んでいく大事故につながります。
走行時の注意点
- 【最重要】高さ制限の確認 ルーフキャリアを装着すると、車の全高は「車検証記載の高さ+キャリアの高さ+積載物の高さ」となります。 必ず、積載状態での全高を一度計測し、運転席から見える場所にメモしておくことを強く推奨します。
- 特に注意: 立体駐車場、トンネル、高架下、料金所、飲食店のドライブスルーなど。
- 速度の厳守と急操作の回避 キャリア装着時は、横風の影響を受けやすくなります。法定速度を守り、特に高速道路や橋の上では速度を控えめに。「急ハンドル」「急ブレーキ」「急発進」は避け、いつも以上に安全運転を心がけましょう。
- 定期的な緩みチェック 長距離を走行する前や、悪路を走った後、休憩時など、定期的にキャリアや積載物に緩みがないか、手で揺すって確認する癖をつけましょう。
定番・おすすめルーフキャリアメーカー
どのメーカーを選べばよいか迷ったら、以下の3大メーカーから選ぶのが定番であり安心です。
1. INNO(イノー)
株式会社カーメイトが展開する日本のブランド。国内車種への適合性が高く、取り付けのしやすさや機能性に定評があります。コストパフォーマンスに優れたモデルも多いのが魅力です。
2. THULE(スーリー)
スウェーデン発、世界トップシェアを誇るキャリアブランド。その洗練されたデザインと、高い安全性・耐久性で世界中から支持されています。価格帯はやや高めですが、所有する満足感も高いメーカーです。
3. TERZO(テルッツォ)
PIAA株式会社が展開する日本のブランド。INNO同様、国内車種への適合に強く、堅実なモノづくりが特徴です。独自のバー形状(エアロバー)など、空力特性に優れた製品も人気です。
まとめ:ルーフキャリアでスマートに、快適なスノーライフを!
ルーフキャリアは、スキーヤー・スノーボーダーにとって、車内空間の確保、汚れ防止、ギアの保護という大きなメリットをもたらしてくれる必須アイテムです。
「車種適合」「積載台数」「キャリアタイプ」といった選び方のポイントを押さえ、安全な積載方法を守ることで、ゲレンデへの道のりは格段に快適になります。
自分にぴったりのルーフキャリアを見つけて、今シーズンのスノーライフを最大限に楽しんでください!

