東京駅からわずか70分で、そこは雪国。
GALA湯沢や軽井沢、越後湯沢エリアなど、新幹線を使った「弾丸スキー」は、車を持っていない都市部のスキーヤー・スノーボーダーにとって最強のアクセス方法です。
しかし、ここで誰もがぶつかる大きな問題があります。
「ところで、160cm以上あるスキー板やスノーボードは、どうやって新幹線に持っていくの?」
一昔前は、大きなスキーバッグを担いで車内に乗り込むのが当たり前でした。
しかし、2020年5月からスタートした**「特大荷物」ルール**の導入により、この常識は変わりました。
何も知らずにスキーバッグを持って新幹線に乗ろうとすると、最悪の場合、手数料(1,000円)を取られたり、乗車を断られたりする可能性すらあります。
この記事では、「新幹線に持ち込む方法」と、ヤマト運輸などの「宅急便スキー便」、どちらが賢い選択なのか。日数、料金、快適さの全てを徹底的に比較・解説します!
【最重要】スキーヤーは全員対象!新幹線の「特大荷物」ルールとは?
まず、この新ルールを絶対に理解してください。
これは、東海道・山陽・九州・西九州新幹線(東京、名古屋、大阪、博多方面)だけでなく、上越・北陸新幹線(新潟、長野方面)にも適用されます。
- ルール概要: 荷物の3辺(タテ+ヨコ+高さ)の合計が160cmを超える場合、「特大荷物スペースつき座席」の事前予約が必須となりました。
- スキーヤー・ボーダーへの影響:
- あなたのスキーケース・ボードケースを見てみましょう。
- (例)165cmのスキー板ケース:長さ170cm + 幅30cm + 高さ20cm = 合計220cm
- 結論:スキー・スノーボードのケースは、ほぼ100%「特大荷物」に該当します。
つまり、「スキー板を持って新幹線に乗る場合、”特大荷物スペース”を予約しないと乗れない」というのが現在のルールです。
(※予約なしで持ち込むと手数料1,000円が徴収され、指定の場所に荷物を置くことになります)
比較①:「新幹線に持ち込む」方法とメリット・デメリット
「特大荷物」ルールをクリアして、自分で持ち込む方法です。
- 利用方法(予約が必須!):
- 「JRおでかけネット」や「みどりの窓口」で新幹線の切符を予約する際、「特大荷物スペースつき座席」を指定して予約します。(※普通の指定席・自由席ではありません)
- この席は、各車両の最後部座席(座席の後ろに荷物を置けるスペースがある席)に限られます。
- 料金は、通常の指定席料金と同額です。(予約さえすれば追加料金はかかりません)
- メリット(利点):
- ① とにかく速い: GALA湯沢なら約70分。到着したら、すぐに滑り出せます。
- ② とにかく安い: 荷物にかかる追加費用は実質0円。(宅急便の往復料金が浮きます)
- ③ 柔軟性: 「今週末、天気が良いから行こう!」という急な日帰り弾丸ツアーに対応できます。
- デメリット(欠点):
- ① 予約が面倒(かつ席数が少ない): 「特大荷物スペース」は各車両に数席しかありません。週末の朝イチの便は、スキーヤー・スノーボーダー同士での争奪戦になります。
- ② とにかく疲れる: 自宅から東京駅、東京駅から新幹線ホーム、そして越後湯沢駅の乗り換え… あの重いスキーバッグを自分で運び続けるのは、滑る前に体力を消耗します。
- こんな人にオススメ:
- 日帰り(0泊)弾丸スキーの人
- 交通費を1円でも安く抑えたい人
- 体力に自信がある人
比較②:「宅急便スキー便」の方法とメリット・デメリット
ヤマト運輸の「スキー宅急便」や、佐川急便の「スキー飛脚便」を利用する方法です。
- 利用方法:
- 発送(行き): 滑りに行く日の「2日~3日前」までに、自宅やコンビニから荷物を発送します。
- 宛先: 宿泊先の「ホテル」「旅館」「民宿」を指定します。
- 受取(帰り): 最終日、ホテルのフロントから「着払い」で自宅へ発送します。
- メリット(利点):
- ① 圧倒的な快適さ(手ぶら):これが最大のメリット。重い荷物から解放され、リュック一つで新幹線に乗れます。乗り換えもラクラク。体力消耗ゼロで、初日の朝からフルパワーで滑れます。
- ② 予約ストレスゼロ: 新幹線の「特大荷物スペース」の予約争奪戦に参加する必要がありません。好きな時間の、好きな席に座れます。
- ③ 濡れた荷物を持ち帰らなくて良い: 帰りも同様。濡れたブーツやウェアを詰めた重いバッグを、混雑する日曜夕方の新幹線で持ち帰る苦行から解放されます。
- デメリット(欠点):
- ① お金がかかる:往復で料金がかかります。関東から長野・新潟エリアまで、スキーバッグ1個あたり往復約4,000円~5,000円が相場です。
- ② 時間がかかる(当日発送は不可能):最大の注意点。「滑りに行きたい」と思ったその日に送ることはできません。最低でも2日前には発送準備が必要です。
- こんな人にオススメ:
- 1泊以上の「お泊まりスキー」の人(ほぼ必須)
- 家族連れ(荷物が多い人)
- お金より「快適さ」「楽さ」を優先したい人
- ▼公式サイトで日数をチェック
徹底比較:持ち込み vs 宅急便
| 比較項目 | ① 新幹線持ち込み(特大荷物予約) | ② 宅急便スキー便 |
| 費 用 | ◎(実質0円) | △(往復4,000円~) |
| 速 さ | ◎(当日、即滑れる) | ×(2~3日前に発送) |
| 快適さ | ×(非常に疲れる) | ◎(手ぶらで超快適) |
| 手 軽 さ | △(「特大荷物」の事前予約が必須) | ○(発送の手間はかかる) |
結論:あなたはどっち?
あなたの旅のスタイルによって、最適な方法は異なります。
▶ 「新幹線持ち込み」を選ぶべき人
- 「日帰り」または「金曜夜発の0泊」で、とにかく安く・速く滑りたい人。
- 必ず「特大荷物スペースつき座席」の事前予約を忘れないでください。
▶ 「宅急便スキー便」を選ぶべき人
- 「1泊以上」の旅行をする人。(ほぼ全員こちらがオススメ)
- 「家族連れ」や「体力に自信がない」人。
- 「お金はかかっても、快適な旅がしたい」人。
【上級者の裏ワザ】「行き」と「帰り」で使い分ける
最も賢い方法の一つがこれです。
- 行き: 自分で新幹線に持ち込む(特大荷物予約)→ 到着後すぐに滑れる。
- 帰り: ホテルから「宅急便」で自宅に送る→ 濡れた重い荷物を持ち帰るストレスから解放される。
これなら「速さ」と「帰りの快適さ」を両立でき、コストも片道分で済みます。
自分の体力と予算に合わせて、最適な方法を選びましょう!

