リフトの乗り降りが怖い…初心者が知っておきたいリフトの基本とマナー

スキー・スノーボードを始めた初心者が、滑ることよりも先にぶつかる「最大の壁」それが「リフトの乗り降り」です。

「後ろから迫ってくるイスに、どう座ればいいの?」 「スノーボードって、片足でどうやって乗るの?」 「降りる時に絶対に転ぶ自信がある…」 「転んでリフトを止めたら、周りに迷惑がかかる…」

この「恐怖心」のせいで、スキー場に行くのが億劫になってしまう人もいるほどです。 しかし、安心してください。リフトが怖いのは、あなたが運動神経が悪いからではありません。ただ「正しい手順」と「コツ」を知らないだけです。

この記事では、スキーヤー・スノーボーダー別に、リフトの乗り降りをステップバイステップで徹底解説! この記事を読めば、あなたのリフトへの恐怖心は消え、スマートに山頂へ向かえるようになります。

目次

【スキー編】リフトの乗り方・降り方

スキーヤーは両足に板があり、ストックも持っているため、スノーボードより乗り降りは簡単です。慌てないことが一番のコツです。

▼ 乗る時(スキー)

  1. 「のりば」ラインまで進む: リフト乗り場には「ここで待って」というライン(線)が引いてあります。前の人が乗ったら、そこまでストックを使って進みます。
  2. 板をまっすぐ・ストックをまとめる: 板は必ず進行方向にまっすぐ向けます。ストックは、必ず両方とも片手(外側の手)にまとめます。(リフトに引っかかるのを防ぐため)
  3. 振り返ってイスを確認: もう片方の手(内側)は何も持たず、軽く後ろを振り返って、リフトのイス(搬器)が来るのを目で確認します。「振り返る」だけでOKです。
  4. 深く座る: イスがお尻に当たったら、流れに合わせてスッと深く座ります。慌てる必要はありません。
  5. セーフティーバーを下ろす: 座ったら、すぐに板の先端を上げ、セーフティーバー(安全バー)を下ろします。 【マナー】 一人で乗る時以外は、必ず「バー下ろしますね」と周りの人に一声かけてから下ろしましょう。

▼ 降りる時(スキー)

  1. バーを上げる: 「おりば」が近づいたら、周りに「バー上げます」と声をかけ、セーフティーバーを上げます。
  2. 板の先端(トップ)を上げる: 降りる直前、板の先端が雪に突き刺さらないよう、つま先を少し上げて板を「上向き」に保ちます。
  3. 立ち上がる: 板が雪面に着き、平らな場所に来たら、お尻を前にずらし、自然にスッと立ち上がります。
  4. 【最重要】すぐに止まらない: 初心者がやりがちなのが、降りた直後に慌ててボーゲン(ハの字)で「止まろう」として転ぶパターンです。 絶対に止まろうとせず、まずは「まっすぐ前を見て進む」ことを意識してください。リフトの降り場は緩やかな下り坂になっているので、自然に進みます。
  5. 安全な場所へ移動: 降り場から十分に進み、後続の人が来ても邪魔にならない「コースの広い端」まで移動してから、ゆっくり止まりましょう。

【スノーボード編】リフトの乗り方・降り方(最大の難関)

スノーボーダーにとって、リフトの乗り降りは最初の試練です。理由は「片足」で操作しなければならないからです。

▼ 乗る時(スノーボード)

  1. 後ろ足を外す(片足にする): リフトに乗る前に、必ず後ろ足のビンディング(バインディング)を外します。
  2. スケートで進む: 外した後ろ足で、地面(雪)を蹴って進みます(=スケーティング)。
  3. 「のりば」で待機: スキーと同様、「のりば」ラインで待ちます。この時、前足は板に乗せ、外した後ろ足は、板と雪面の間に置いて安定させます。
  4. イスを確認して座る: 振り返ってイスを確認し、座ります。この時、板がイスの支柱に引っかからないよう、少し内側に引き寄せる意識を持つと安全です。
  5. デッキパッドに乗せる: 座ったら、板がブラブラしないよう、外した後ろ足を板の真ん中(ビンディングの間)に乗せます。 【便利アイテム】 この時、滑り止めとして「デッキパッド」(板に貼るイボイボ)は絶対に必須です。これがないと足がツルツル滑り、降りる時も地獄を見ます。

▼ 降りる時(スノーボード)

ここが最難関です。転ぶ原因は「下を見ること」と「エッジを立てること」です。

  1. バーを上げ、足を乗せる: バーを上げ、後ろ足をデッキパッドの上にしっかり乗せます。
  2. 【最重要】「行く先」をまっすぐ見る: 降り場のスロープの、ずっと先(安全な場所)を見ます。 NG行動: 怖がって足元(板)を見ること。下を見ると、体が傾き、バランスを失い、エッジが引っかかって転びます(逆エッジ)。
  3. 板を「水平」に保つ: 板が雪面に着く瞬間、エッジが雪に引っかからないよう、板を地面と「完全に水平(フラット)」に保ちます。
  4. 立ち上がって、まっすぐ滑る: 雪面に着いたら、体重を真ん中(または少し前足)に乗せ、スッと立ち上がります。「行く先」だけを見て、片足のままスーッと直滑降します。
  5. 【最重要】止まろうとしない。曲がろうとしない。 降りた直後に止まろうとしたり、曲がろうとしたりすると、片足なので必ず転びます。 「安全な場所まで、まっすぐ進み続ける」ことだけを考えてください。
  6. 安全な場所で止まる: 十分に降り場から離れたら、前足に体重を乗せ、かかと側(またはつま先側)のエッジを優しく雪にかけて、ゆっくり止まります。

【共通】絶対守るべき「リフトのマナー」

リフトは全員が使う公共の乗り物です。安全とマナーを守りましょう。

  • セーフティーバー(安全バー): 必ず下ろしましょう。特に子供と乗る際は必須です。ただし、「下ろします」「上げます」の一声をかけるのが大人のマナーです。
  • スマホ・落とし物: リフト乗車中の「スマホ操作」は厳禁です。落としたら最後、まず見つかりませんし、下のコースにいる人に当たったら大事故です。
  • タバコ: リフトの上は禁煙です。

Q&A:「もし転んだら?」

一番怖いのがこれですよね。大丈夫、係員さんも周りも「初心者だから」と分かっています。

  • 降り場で転んでしまったら?
    • とにかく早く「脇」に避ける!
    • 後続の人が降りてきて、二重事故になるのが一番危険です。
    • スキーやスノーボードが外れても良いので、まず「自分の体」をリフトの動線から転がってでも脇に避けてください。
    • リフトが止まっても、焦らないでください。立ち上がれる状態なら、板を持って安全な場所へ移動します。
    • リフトを止めてしまっても、係員さんに謝る必要はありません(会釈程度でOKです)。それが彼らの仕事であり、安全のための当然の措置です。
  • 公式サイトで安全啓発をチェック

まとめ

リフトは「怖い」ものではなく、「楽に山頂へ運んでくれる魔法のイス」です。 怖いのは「知らない」から。

  • スキーヤー: 「ストックをまとめ、まっすぐ進む」
  • スノーボーダー: 「デッキパッドを貼り、まっすぐ前を見て、止まろうとしない」

このコツさえ掴めば、リフトは最高の友達になります。マナーを守って、快適なスキーライフを楽しんでください!

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この記事を書いた人

世界中のスキー場情報を発信しています。
世界中のスキーリゾートを回り、最高の雪質を求めています。
個人的にはウィスラーが大好き!でも、日本の雪も世界に誇れる最高の雪!

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