感動と歴史が交差する「ミラノ・コルティナ2026パラリンピック冬季競技大会」開会式ハイライト

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2026年冬季パラリンピックの幕開けを告げる開会式が、イタリアのヴェローナにある歴史的なローマ時代の円形闘技場「アレーナ・ディ・ヴェローナ」にて盛大に開催されました。

目次

歴史的建造物でのバリアフリーな幕開けと記録的快挙

世界遺産(UNESCO)にも登録されているこの闘技場は、ローマのコロッセオよりも古い歴史を持ち、今大会に向けて完全なバリアフリー化の改修が行われました。今大会は冬季パラリンピック50周年という節目の大会であり、55カ国から600名以上のアスリートが参加します。

特筆すべきは、過去最多となる160名の女性アスリートが出場することであり、これは前回の北京2022大会(136名)から18%の増加となります。

アートと宇宙が融合した「Life in motion」

式典のテーマは「Life in motion(躍動する生命)」であり、人々と環境、スポーツとの関わりを芸術を通じて探求するものでした。イタリアの現代アートや音楽が多数取り入れられ、24歳の彫刻家JGOによる大理石の心臓のモニュメントなどが披露されました。

さらに、車いすユーザーとして初めて宇宙飛行を経験した欧州宇宙機関(ESA)の航空宇宙エンジニア、ミカ・ベンタウ(Mika Bentau)氏が登場し、「私たち全員が自分たちの能力で評価されることを望んでいる」という力強いメッセージを発信しました。また、世界初の「バイオニック・ハンド(義手)」を持つDJもパフォーマンスを行い、革新とインクルージョン(包摂性)のテーマを体現しました。

初出場国を含む全55カ国のパレードは見れず

各国選手団の入場行進では、各国の代表が誇らしげにアリーナを行進しました。今大会では、エルサルバドル、ハイチ、北マケドニア、ポルトガルが冬季パラリンピックへの歴史的な初出場を果たしています。最大規模のチームは73名のアスリートを擁するアメリカであり、開催国であるイタリアからは43名が参加して地元の大歓声を浴びました。

一方で、いくつかの理由で開会式に参加しない国々もありました。

政治的理由で不参加

チェコ、エストニア、フィンランド、ラトビア、リトアニア、ポーランド、ウクライナの7か国については、政治的理由で来ない事を決めています。これらの国は、今回6人のロシア選手と4人のベラルーシ選手が自国の国旗の下でパラリンピックに参加している事を理由にしています。これらの選手は、前回の2022年北京大会では参加が除外され、夏の2024年パリでは中立選手として参加していました。

選手の体調面への配慮不参加表明の国

一方で、カナダ、イギリス、ドイツ、フランスなどの国も開会式への参加をボイコットしています。これらの国々は今回広範囲で行われる大会会場の構成上、移動にかかる様々な負担を軽減するため、開会式に参加しないという判断をしています。これらの国の中には、別会場と中継で繋いで開会式への参加をしている国もあります。

分断された世界に向けた平和と多様性のメッセージ

ミラノ・コルティナ大会組織委員会のジョバンニ・マラゴ会長はスピーチで、「深く分断された世界において、平和とインクルージョンというメッセージはこれまで以上に重要である」と述べ、大会が社会変革とバリアフリー化への意識向上につながることを強調しました。

また、国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドリュー・パーソンズ会長は、「障害は制限ではなく人間の多様性の素晴らしい側面である」と語り、アスリートたちを称えました。その後、イタリア共和国のセルジョ・マッタレッラ大統領によって高らかに開会が宣言されました。

史上初!2都市で同時に灯された聖火

パラリンピック発祥の地であるイギリスのストーク・マンデビルで採火された聖火は、11日間の旅を経てヴェローナに到着しました。車いすフェンシングの金メダリストであるベベ・ヴィオ(Bebe Vio)がトーチをアリーナへと運び、会場を熱狂させました。

大会史上初めて、ミラノ(アルコ・デッラ・パーチェ)とコルティナ(Piazza de Bona)の2カ所に設置された聖火台に同時に火が灯され、初の「広域開催(widespread)」となるパラリンピックの開幕を象徴しました

スポーツを通じた文化的な成長と、違いやアイデンティティを尊重するメッセージが込められたこの開会式は、観客に強烈な印象を与えました。これから繰り広げられるアスリートたちの熱戦に、世界中から熱い視線が注がれています。

ここから始まる10日間の熱いウインターゲーム、日本代表を応援しましょう!

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この記事を書いた人

snowmasterのアバター snowmaster スノーサーチ編集長

スキー歴45年、物心ついたころからスキーを始め、基礎スキー・競技スキーなどを経て、日本国内の素晴らしいスキー場をより多くの人たちに楽しんでもらえるように、1999年よりスノーサーチ(SNOWSEARCH)サイトを運営し今に至る。スノーレジャーを楽しみながら、スキー・スノーボードの普及啓蒙活動に力を入れている、スノーサーチの編集長です。

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