「スキー・スノボはお金がかかる」は本当。それでも私たちが雪山に通い続ける5つの理由

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「Mt.乗鞍を地元の熱意で営業」のニュースへのコメントの多くが「金かかる」

2025年末、NBS長野放送のYouTubeチャンネルで、Mt.乗鞍の特集ニュースが流されました。昨シーズン(2024-2025シーズン)、運営会社の経営難でスキー場事業からの撤退が発表され、地域の人たちによる運営により、なんとか営業が行われたMt.乗鞍スノーリゾート。

スキーを楽しむ市内外の人たちのために、クラウドファンディングで運営資金を集め、何とか運営にこぎつけたという心温めるニュースでしたが、その動画のコメントが現在の世相を表す切実なものとなっていました。

「行くまでのハードルが高い」、「お金がかかりすぎる」「リフト券が高すぎる」「可処分所得が低すぎていけない」など、様々な意見があり、まずお金がかかるというのが圧倒的なイメージとなっていました。

本当にお金がかかるか?

「スキーやスノボを始めたいけど、道具もリフト券も高い……」 「一回の旅行で数万円飛ぶのは痛い……」

正直に言いましょう。その感覚は正しいです。 昨今の物価高やインバウンド需要の影響もあり、ウィンタースポーツのコストは決して安くありません。総務省の家計調査などを見ても、レジャー費用の負担感は年々増しているのが現実です。

しかし、それでも毎年多くの人が(そして私自身も)、なけなしのお小遣いやボーナスを握りしめて雪山へ向かいます。なぜでしょうか? これはただの浪費? いいえ、全然違います。

そこには、「支払った金額以上の、人生を豊かにする圧倒的なリターン」があるからです。

この記事では、あえて「お金」というシビアな現実に向き合いながら、それを上回る「雪山のプライスレスな価値」と、賢く楽しむための現実的なテクニックをお伝えします。

読み終わる頃には、あなたの週末の予定が「家で動画鑑賞」から「雪山への旅」に変わっているかもしれません。


【現実】スキー・スノボは実際どれくらいお金がかかるのか?

まずは敵(?)を知ることから始めましょう。一般的に、都内から1泊2日でスキー旅行に行った場合、交通費・宿泊費・リフト券・レンタル代を含めると、一人当たり3万円〜5万円程度かかるのが相場です。

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「やっぱり高い!」と思いますよね。 確かに、Netflixの月額料金や、近所の居酒屋での飲み代と比較すれば高額です。しかし、この金額を「ただの出費」ではなく「体験への投資」と捉え直してみると、景色がガラリと変わります。

ここからは、その「投資対効果(ROI)」がいかに高いか、具体的な5つの理由を解説します。


理由1:脳が洗われるような「圧倒的非日常」とメンタルリセット効果

現代人は常にスマホの通知や仕事のプレッシャーに追われています。しかし、標高1,000mを超える雪山には、それらを強制的に遮断する力があります。大自然の豊かな景色は、写真や動画を見ただけでは表せない、独特な迫力と荘厳な雰囲気があります。

リフトに乗って山頂へ向かう静寂、冷たく澄んだ空気。これらは都会のサウナやマッサージでは決して得られない「脳の洗浄体験」です。その雰囲気の中、見るたびに違う風景を作り出す自然の力を全身で感じることができます。

1日の終わりには、体を動かした心地よい疲れとともに、驚くほど頭がクリアになっている自分に気づくはずです。

  • 視覚情報のリセット: 一面真っ白な銀世界は、視覚的なノイズを消し去ります。
  • デジタルデトックス: 美しい自然を撮影するためのカメラとしてスマホを利用し、寒いゲレンデでは長時間ポケットにしまいっぱなしになるため、自然と画面を見る時間が減ります。

理由2:大人になってから「成長」を実感できる稀有な体験

社会人になると、自分の成長を明確に感じる機会は減っていきます。しかし、スノースポーツは違います。

  • 「あ、今のターン上手くいった!」
  • 「前回転んだ場所が滑れるようになった!」

この「できた!」という純粋な喜びは、子供の頃に逆上がりができた時の感覚に似ています。ドーパミンが放出され、自己肯定感が爆上がりする瞬間。この感覚は、数万円払ってでも手に入れる価値があると私は断言します。

理由3:自然と一体になる「フロー状態」への没入

プロのアスリートや経営者がよく口にする「ゾーン(フロー状態)」に、一般人が最も入りやすいのがスキー・スノボだと言われています。

重力に身を任せ、風を切り、次のターンのことだけを考える。 この時、悩みや不安は消え去り、「今、ここ」だけに集中するマインドフルネスな状態になります。これこそが、雪山中毒者が続出する最大の理由です。

理由4:共通の体験がもたらす「深いコミュニケーション」

飲み会での会話は翌日には忘れてしまいますが、雪山での思い出は一生残ります。

  • リフトの上での二人きりの会話
  • 転んで助け合った時の笑い話
  • 冷えた体に染み渡るゲレ食(カレーやラーメン)の美味しさ
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友人、恋人、家族。誰と行くにしても、吊り橋効果にも似た高揚感が、関係性を一気に深めてくれます。 お金は「モノ」ではなく「誰かと共有する時間」に使うのが最も幸福度が高いという研究結果もありますが、スキー・スノボ旅行はその最たる例です。

理由5:実は「一生の趣味」になるコストパフォーマンスの良さ

初期投資は高いですが、一度道具を揃えて技術を身につければ、スキー・スノボは一生楽しめます。

  • 年齢を問わない: 80代で優雅に滑るスキーヤーも沢山います。
  • 場所を選ばない: 日本は世界有数のパウダースノー大国。国内旅行のついでに楽しめます。

長い目で見れば、これほど長く、深く付き合える趣味はそう多くありません。


【実践編】コストを抑えて賢く楽しむ3つの裏技

精神論だけでなく、現実的なお財布対策も重要です。おすすめの「賢い節約術」をご紹介します。

1. 「早割」と「Web事前購入」をフル活用する

リフト券は当日窓口で買うのが一番損です。多くのスキー場がWebでの事前決済や早割チケットを販売しており、1,000円〜2,000円安くなることもザラです。コンビニなどで事前に購入できるお昼ご飯とのセットクーポンや、スポーツショップ他、関連施設で手に入れられる割引券や前売り情報を必ずチェックしてください。

2. 有名リゾートの「隣」や「ローカルスキー場」を狙う

ニセコや白馬などの国際的リゾートは価格も高騰しています。しかし、少しエリアをずらすだけで、雪質は変わらないのにリフト券が半額近い「穴場スキー場」が日本にはたくさんあります。 (例:有名エリアから車で30分圏内のローカルゲレンデなど)最近ではあまりなくなってきたリフト待ちも、有名ゲレンデなどではいまだに発生しています。しかし、少し車で移動するだけで、リフト待ち「0分」なんてゲレンデも沢山あります。

3. 道具は「レンタル」→「型落ち購入」の順で

最初から全て新品で揃える必要はありません。最近のレンタル品は非常に高品質です。まずはレンタルで始め、ハマったら春先のセール時期に「型落ちモデル(新品)」を安く手に入れるのが賢いルートです。


雪山へのチケットは、新しい自分へのチケット

今回の記事のポイントを振り返ります。

  • 確かにコストはかかるが、それは「浪費」ではなく「体験投資」。
  • デジタルデトックスや自己肯定感の向上など、メンタルへの効果は絶大。
  • 「今、ここ」に集中するフロー体験は、日常のストレスを消し去る。
  • 早割や穴場スキー場を駆使すれば、コストはコントロール可能。

「お金が貯まったら行こう」と思っていると、冬はあっという間に終わってしまいます。 そして、体力気力ともに充実して雪山を楽しめる時間は、人生において意外と短いものです。

迷っているなら、まずは日帰りでも構いません。一度、雪山へ飛び込んでみてください。最初からスキー・スノーボードをしなくてもいいんです。白銀の世界に身を置いて、スキーを楽しむ人たちをゲレンデのカフェから見ていても、非日常体験を楽しめます。

そして、次の機会に行ったとき、 ターンを描いたその瞬間に、「ああ、来てよかった」と心から思えるはずです。

さあ、次の休みはどこの山へ行きますか?

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この記事を書いた人

snowmasterのアバター snowmaster スノーサーチ編集長

スキー歴45年、物心ついたころからスキーを始め、基礎スキー・競技スキーなどを経て、日本国内の素晴らしいスキー場をより多くの人たちに楽しんでもらえるように、1999年よりスノーサーチ(SNOWSEARCH)サイトを運営し今に至る。スノーレジャーを楽しみながら、スキー・スノーボードの普及啓蒙活動に力を入れている、スノーサーチの編集長です。

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