天元台高原スキー場ガイド

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スキー場の特徴

山形県の南部、米沢市の奥座敷に位置する「天元台高原」は、その標高の高さと圧倒的な積雪量、そして極上の雪質によって、本物を知るスキーヤーやスノーボーダーから「天空のパウダースノーエリア」として熱烈な支持を集めるスキー場です。ここは、利便性やリゾート施設を追求するスキー場とは一線を画し、「雪質の良さ」と「長く滑れるシーズン」という、滑走者が最も求める本質的な価値を最高水準で提供してくれる場所です。

このスキー場の最大の特徴は、その標高の高さにあります。ゲレンデベース(アルブ天元台)がすでに標高1,350m、リフトで到達できる山頂(つがもりゲレンデトップ)は1,820mにも達します。これは東北地方でもトップクラスの高標高であり、シーズンを通して気温が非常に低く保たれることを意味します。その結果、降り積もる雪は水分をほとんど含まない「プレミアムパウダー」と呼ばれるアスピリンスノーとなり、滑走時には独特の浮遊感を味わうことができます。

もう一つの大きな特徴は、12月上旬から5月上旬のゴールデンウィークまでという、驚異的な営業期間の長さです。豊富な積雪量と北向きの斜面、そして標高の高さが相まって、春になっても雪質が劣化しにくく、ハイシーズンのようなコンディションで春スキーを存分に楽しむことができます。

ゲレンデは、麓の白布温泉(しらぶおんせん)にある湯元駅から、まず全長2.6km、高低差724mを一気に登る「天元台ロープウェイ」で高原駅(1,350m)へアクセスすることから始まります。この時点で、すでに眼下には米沢盆地や周辺の山々が広がる別世界です。そこからさらに3本のリフト(第1・第2・第3リフト)を乗り継ぎ、山頂へとアプローチします。

ゲレンデ構成は、パウダーを求める上級者志向が強いのが特色です。特に山頂の「つがもりゲレンデ」は、そのほとんどが非圧雪エリアとなっており、降雪後はディープパウダーを狙うエキスパートたちの聖地と化します。もちろん、中腹の「しゃくなげゲレンデ」や「しらかばゲレンデ」には、美しく圧雪された中斜面や緩斜面もあり、中級者やファミリー層も絶景を楽しみながらのびのびと滑走できます。

また、ここは日本百名山の一つである西吾妻山(にしあづまやま)への登山口でもあり、バックカントリースキーヤーやスノーボーダー、スノーシュー(かんじき)ハイキングの拠点としても非常に人気があります。自然のままの美しい樹氷群を間近に見ながらのハイキングは、滑走とはまた違った感動を与えてくれます。

麓には、茅葺き屋根の旅館が今も残る秘湯「白布温泉」があり、滑り終えた後は開湯700年の歴史を持つ名湯で体を癒すことができます。日常の喧騒から離れ、ただひたすらに良質な雪と向き合いたい。そんな本物志向の滑走者にとって、天元台高原はまさに楽園のような場所と言えるでしょう。

ゲレンデガイド

ロープウェイで一気に標高1,350mまで上がり、そこから3本のリフトで山頂を目指す縦長のレイアウト。上部は非圧雪のパウダーエリアが中心です。

  • リフト数: 4基 (ロープウェイ 1基 / ペアリフト 3基)
  • コース数: 5コース
  • 最長滑走距離: 6,000m (つがもり山頂から湯元駅までのルート)
  • 最大斜度: 35度(つがもりゲレンデ)
  • 標高差: 900m (トップ 1,820m / ボトム 920m ※湯元駅)
  • コースレベル: 初級 20% / 中級 40% / 上級 40%

主なコース紹介

  • つがもりゲレンデ(上級) 第3リフトでアクセスする、標高1,820mの最上部エリア。コースの大半が非圧雪のパウダーゾーンとなっており、降雪後は極上のパウダーランが楽しめます。
  • しゃくなげゲレンデ(中級) 第2リフト沿いに広がる、スキー場の中核となるコース。適度な斜度があり、圧雪されたバーンはカービングターンの練習に最適です。
  • しらかばゲレンデ(初級) ゲレンデベース(アルブ天元台・高原駅)の正面に広がる緩斜面。スキー・スノーボードの練習や、ファミリーでの利用に安心のエリアです。
  • 湯の平コース(中級) 高原駅からロープウェイ湯元駅まで、森の中を抜けて滑り降りる全長3kmのダウンヒルコース。林間コースの雰囲気を楽しめます。(※積雪状況により滑走可否が異なります)

アクセス

〒992-1461 山形県米沢市大字李山字天元台(ロープウェイ湯元駅)

(Tengendai, Oaza Subomoyama, Yonezawa-shi, Yamagata 992-1461, Japan)

公式ウェブサイト

  • 天元台高原
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天元台高原 | スキー&トレッキング | 米沢市 米沢市にある「天元台高原」は、標高1,300mに位置し、晴れた日には蔵王・鳥海・月山・飯豊・朝日連峰を一望できます。日本百名山の一つ、吾妻山の最短登山口でもあり、ロー...

周辺施設

ロープウェイ湯元駅周辺の「白布温泉」が、宿泊・温泉の拠点となります。

温泉施設

  • 白布温泉 湯滝の宿 西屋
    • ゲレンデの麓、白布温泉にある茅葺き屋根が特徴の老舗旅館。湯滝を眺める風情ある温泉で日帰り入浴も可能。
  • 白布温泉 中屋 別館 不動閣
    • 西屋に隣接する旅館。源泉かけ流しの温泉が楽しめます。
  • 新高湯温泉 吾妻屋旅館
    • 白布温泉からさらに山道を入った先にある、日本秘湯を守る会会員の宿。野趣あふれる露天風呂が人気。(※冬季アクセス注意)

観光地

  • 白布大滝
    • 白布温泉のすぐ近くにある、落差30mの迫力ある滝。

  • 米沢市内観光

飲食店

  • レストラン白樺(アルブ天元台内)
    • ゲレンデベースにあるメインレストラン。定番のカレーやラーメンが楽しめます。
  • 米沢牛 登起波(ときわ)(米沢市内)
    • 帰りがけに米沢市内で、日本三大和牛の一つ「米沢牛」のすき焼きやステーキを味わうのもおすすめです。

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この記事を書いた人

世界中のスキー場情報を発信しています。
世界中のスキーリゾートを回り、最高の雪質を求めています。
個人的にはウィスラーが大好き!でも、日本の雪も世界に誇れる最高の雪!

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