スキー場の特徴
北緯45度25分、正真正銘「日本最北端のスキー場」である「稚内市こまどりスキー場」。このスキー場が提供してくれる体験は、国内のどのスキー場とも一線を画す、唯一無二のものです。稚内市の市街地に隣接する高台に位置し、市民にとっては冬の体力づくりや憩いの場として、そして旅人にとっては最北の地でしか見られない絶景と滑走体験を求めて訪れる特別な場所となっています。
このスキー場の最大の魅力は、ゲレンデトップから広がる息をのむような大パノラマです。西には秀峰・利尻富士が浮かぶ日本海、北には宗谷海峡を隔ててロシア・サハリン(樺太)の島影、そして眼下には稚内の街並みが広がります。晴れた日にこの景色を眺めながら滑り降りる爽快感は、ここでしか味わうことができません。特に、夕暮れ時には日本海に沈む夕日が空と海を茜色に染め上げ、幻想的な雰囲気の中でナイタースキーを楽しむことができます。
ゲレンデは、動力として「ロープトゥ」と呼ばれる、ロープに掴まって斜面を登るタイプの非常にシンプルなリフト設備が2基のみという、非常にコンパクトな構成です。このローカル感あふれる設備も、こまどりスキー場の風情の一つと言えるでしょう。コースは全体的に緩やかで、幅の広い一枚バーンとなっているため、スキーやスノーボードが初めてのお子様や初心者の方でも、安心して練習に打ち込めます。
市営ならではの非常に安価な料金設定も大きな魅力。ワンコインでお釣りがくるほどの料金で、心ゆくまで最北の雪と景色を堪能できます。スキー場の麓にはヒュッテ(休憩所)も完備されており、ストーブで暖を取りながら休憩することが可能です。
決して大きくもなければ、最新の設備が整っているわけでもありません。しかし、「日本最北端のスキー場で滑る」という特別な体験と、利尻富士とサハリンを同時に望むという地理的ロマン、そして地元に根付いた温かい雰囲気は、訪れる人々の心に深く刻まれることでしょう。稚内観光の一環として、ぜひ立ち寄りたいスポットです。
ゲレンデガイド
シンプルなロープトゥでアクセスする、広々とした見通しの良いゲレンデです。
- リフト数: 2基(ロープトゥ)
- 総コース数: 1コース(ゲレンデ内に初級・中級エリアあり)
- コース構成:
- 初級エリア: 50%
- 中級エリア: 50%
エリア名 | レベル | タイプ | 最大斜度 | 滑走距離 | 特徴 |
メインゲレンデ | 初級・中級 | 圧雪 | 18° | 250m | ゲレンデ全体が見渡せる一枚バーン。上部が中斜面、下部が緩斜面となっており、レベルを問わず楽しめる。 |
そり乗り場 | ファミリー | – | – | – | ゲレンデ下部に設けられた、子どもたちが安全にそり遊びを楽しめるエリア。 |
アクセス
住所: 〒097-0021 北海道稚内市こまどり5丁目
(5 Chome Komadori, Wakkanai, Hokkaido 097-0021)
- 車でのアクセス:
- JR稚内駅から約10分
- 稚内空港から約25分
- 公共交通機関でのアクセス:
- JR稚内駅より宗谷バス(市内線)に乗車、「こまどり5丁目」バス停下車、徒歩約5分
公式ウェブサイト
- 稚内市こまどりスキー場(稚内市役所サイト内)
周辺施設
温泉施設
- 稚内温泉 童夢(どうむ)
- 日本海に面した絶景の日帰り温泉施設。露天風呂から利尻富士を望み、特に夕日の美しさは格別。
宿泊施設
- ANAクラウンプラザホテル稚内
- 日本最北端のシティホテル。稚内駅やフェリーターミナルに近く、観光の拠点として便利。
- サフィールホテル稚内
- 稚内駅前に位置するホテル。温泉大浴場やレストランも充実。
- 旅館 いわき
- 稚内ならではの新鮮な海の幸を使った料理が自慢の旅館。
観光地
- 宗谷岬
- 「日本最北端の地の碑」が立つ、まさに最果ての地。間宮林蔵の像も有名。
- ノシャップ岬
- 夕日の名所として知られる岬。イルカのモニュメントや稚内灯台がシンボル。
- 稚内港北防波堤ドーム
- 古代ローマ建築を思わせる半アーチ型のデザインが特徴的な、北海道遺産にも選定されている防波堤。
飲食店
- お食事処 ふじ田
- 稚内名物の「たこしゃぶ」発祥の店として知られる人気店。